イタリア領事館でパスポート申請
日本のパスポートを持っている限り、最近では旅行の際各国の領事館に出向き査証をもらう。ということは少ないのでしょうか。
私自身はここのところビザ無しで行ける国にしか旅行へ行ってないためあまり詳しくないのですが、最近はインドなんかもオンラインでビザの申請が出来るそうですね。
20年近く前にインドへ行った際には領事館でしかビザは発給してくれませんでした。
いずれにしてもわざわざ時間を作って待ち時間の長いビザ申請に行くのは大変ですし、出来ればあまり領事館へは出向きたくはないですよね。
私も多くは無いですがかつては色々な領事館へ訪れました。
タイに住んでいた時にはビザ申請のためにわざわざタイ国外のマレーシアやシンガポール、そして日本のタイ領事館へ行ったこともあります。
またアメリカ、イタリア、タイの日本領事館にも訪れた経験があるのですが、その場所がどこの国か、どこの国の領事館かということ関係なく正直どこも対応が良いとは言えませんでした。
なんなんでしょうね…。働いている人たち、態度が大きい…。
その中でも特に強烈な経験をしたのが大阪のイタリア領事館です。
大阪のイタリア領事館…。
こちらへ行ったことがある方の間ではここはまるで鬼門のように言われていますね…。
娘が生まれた15年前の話です。
私は当時タイに住んでいましたが、出産のためにその前後2ヶ月を実家のある大阪で過ごし、またタイに戻る状況でした。
娘はイタリア国籍も保有しているため日本にいる間に日本、イタリア両国のパスポートの申請を行いました。
細かな手続き等については忘れてしまいましたが、領事館において出生届けを出しパスポートの申請をしたと思います。
実はそもそもその前に彼女のパスポート用写真を撮ることにとても苦労しました。
娘は生後1ヶ月ほどで寝ているか泣いてるかという感じ。そしてもちろん寝転がっています。赤ちゃんは常に横を向いているので正面を向いている証明写真なんてまず撮れません…。それに起きて泣いていない!と思っても今度はじっとしていないんです。パスポート用に写真を撮るのはとても大変でした。それも背景が一色でないといけなかったため白いタオルを下にひいて撮影したのを覚えています。
何十枚も写真を撮ってなんとかこれは!というものを申請の時に持参したら受付の方、いともあっさりと
「これではダメですね。ちゃんと前を向いていないです。」
「え?!でも、こんな乳飲み子ですし、大人のように写真を撮ることは難しいのですが。」
しかも受付時間はもうすぐ終わるから撮り直して出直して来て、ということを言われました。
ご存知の通りパスポートは本人がいて初めて発行してもらえます。
ですのでこの日もまだ生後1ヶ月の娘をわざわざ連れて出てきたのです。実際私自身も産後でまだしんどい時期です。
何だか怒りを通り越してとても悲しくなりました…。
正直この時ほど人を非情だと思ったことはありません。
受付の前でどうしようかとたたずむ私。
すると何とその時!奇遇にも当時の領事が通りかかり小さな娘を見て、
「わー、小さなイタリア人の赤ちゃんがいる!」と話しかけてくれました。
このタイミングを逃すわけにはいかない!!
すかさずパスポートを作ってもらえなくて困ってる。助けてもらえませんか?と英語で話しました。
(イタリア語が流暢に話すことは出来なくても領事とは英語で話せます!やっぱり英語が話せたことは身を助けました。)
すると写真を見てあっさり、全然大丈夫。と言ってさっき私に帰れに近いことを言った受付の人に何か話してくれました。
その上、小さな赤ちゃんを抱いて立っているのも何だから自分の部屋のソファに座っていて良いよ。ごゆっくり。と言ってくれたのです。
普段なら、イタリア人男性の女性に対しての優しい態度なんて当たり前なことだと思っていましたが、この時ばかりは彼が神様に見えました。
しばらくの間領事の部屋でくつろいで待っていると、領事が自ら出来たての娘のパスポートを持って来てくれました。
そしてなんと最後は見送られ領事館を後にしたのですが、家に帰って来てから
「あれ?イタリアってパスポートただなの?お金払ってないな…。」
と気づきました。
まさかただなわけないですよね。それから5年後タイでパスポートの更新をした際には当たり前ですがお金はかかり、当時はやっぱり徴収忘れだったのだと分かりました。
え?!あんなにうるさく言う割には徴収忘れ?!
…。
今回イタリアへ行くにあたり、今は向こうでの暮らしよりもなによりも、何らかの理由で大阪の領事館へ行かなければならなくなることの方を心配しています…。