もう一度イタリア語
私には15歳のイタリア国籍を持つ娘がいます。
ですので単純計算でもう16年以上イタリアの国やイタリア人と関わりがあることになります。
ですが娘のイタリア人の父親と知り合うまでは実はイタリア語もイタリアについてもほとんど知識がありませんでした。
そればかりかヨーロッパにも訪れたことはありませんでした。
ところが彼と知り合ってからは一気にイタリア世界に浸かることに。
夫と一緒にイタリア料理店を経営していた15年ほど前、暮らしていたタイの島にはかつてイタリア人観光客がとても多く訪れ、いつもイタリア人のお客さんで溢れていました。
私達のレストランはお客さんとの距離が近く、家にお客さんを招いた状況と同じようにホストとしておもてなししていたため一緒にテーブルにつき話したり飲んだりすることも多かったです。
それがとても喜ばれてイタリア人はほぼうちのレストランに訪れていたと思います。ですので私はいつもイタリア語が飛び交う環境にいました。
また多くのイタリア人長期滞在者がいる島でしたのでその人たちとも関わりがありイタリア語はとても短かな言語でした。
しかし私があまりにも英語が得意だったので夫と話すには基本英語となっていました。
私と知り合った頃はあまり英語の出来なかった彼もそのうち上手になりました。が私のイタリア語が英語ほどのレベルに達することはありませんでした。
それでもここだけは絶対イタリア語で話さなくちゃ!という時がありました。
イタリアで家族と一緒に過ごす時です。
娘のおじいちゃん、おばあちゃんはイタリア語しか話せません。
妹のタニアは英語が得意なとても面倒見の良い人で、私にとっては家族でもあり友達のような存在なのですが、込み入ったことは彼女に助けてもらっていました。(それは今でもそうなのですが)でもタニアもいつも近くにいるわけではなく、近くに住む親戚たちもほぼみんな英語が分かりませんでした。
ですのでイタリアの家族と過ごした時間が今まで生きてきて一番イタリア語を学べた時でした。
私と娘たちだけでイタリアの家に2ヶ月ほどいたこともあるのですがそれが一番上達した時だと思います。
そんなわけで当時はイタリア語もなんとか分かるようになっていました。
しかし残念なことに娘たちと3人で日本で暮らしだしてからこの8年ほどはイタリア語に触れる機会は無くなってしまいました。
去年の年末久々にローマに行きみんなと一緒にいると、あぁ、以前より大分イタリア語を忘れちゃったな…。と実感しました。
しかし!!
嘆いても仕方がありません。
とにかく向こうへ行ったらイタリア人ばかりなのです。
家族とだったらなんとかなるイタリア語ではなくきちんと丁寧なイタリア語を身につけなければ。
それに何よりも今娘が一緒に暮らしているおばあちゃんとも娘のことで込み入った話がしたいのです。
仲の良いイタリア人の知り合いにイタリア語をなんとかしなくては、と言うと、
いくつかYoutubeのLet's learn Italian!!的な動画のリンクを送ってきてくれました。
ありがとう♪
と思って視聴してみると
Ciao! Sono Tomoko, piacere. (Hi, I'm Tomoko. Nice to meet you.)
という感じのレッスンが始まりました。
ちょっと嫌な予感…。
は的中し、最後まで観ましたが私にはすでに知っているイタリア語ばかり。挨拶や数字などです。
うーん…。
そう言えばこの人とはいつも英語で会話していたため私のイタリア語を聞いたことがなかったかもしれないなぁ。
嬉しそうに「あの動画観た?役に立つといいね!」と言われましたが
えっとね、もう少しちゃんとした文章が話せるようになりたいの。と正直に伝えました。
すると知人は
え、意外とあなたイタリア語分かるのね!それじゃあこれからはイタリア語で話そう。と提案されました。
OK
友達同士の込み入った話ではない会話は聞いて理解することが出来るので問題ないんです。
ですがいざ話そうとすると文章にするのに時間がかかる!
イタリア語の動詞は変化が多く、また冠詞も英語より種類が多いのです。男性名詞なのか女性名詞なのか、また複数なのかで変わります。それをとっさに口に出すのは大変!
その日は即席でイタリア語のみで会話するレッスンとなりました。
あー!それにしても今日は頑張ったな。と知人に感謝し、翌日昨日はとても助かりました。ありがとう。とメッセージを送りました。
するとその英語で送ったメッセージへの返信はそれまでと打って変わって全てイタリア語に!!
マジか…。そう来るのね。
一部分からないところは英語にしイタリア語で返しました。
あまりにも全部イタリア語だとしんどいよ…。言えることにも限りがあるし。と思ったので、私のイタリア語は完璧じゃないよね、とチラッと英語で言い訳も加えてみたのですが徹底してイタリア語でしか返事はきません。というかそれに対してはスルーされました。
なんだか初めてこの人が鬼に見えたのですが、きっと今の私には必要なことなのです。
鬼どころか感謝しなければならないですね!
今まで色んな生徒さんに英語の学習において、ゆっくりでいいので頑張りましょう!と声かけしてきたことを思い返すと、そう言ってた自分こそが頑張らなくちゃ!!と突っ込みたくなります。
私も頑張ります!